「トップは現場を知るべきだ」、という話を聞くことは珍しくないが、本当にそうなのだろうか。たとえ現場を回っていても、知るべきことをすべて理解しているのだろうか。 少なくともある分野に関しては違う。タイトルのとおり、「疲れた現場は必ず失敗するのを社長は知らない」実態は存在する。 「失われた20年」と言う。1990年代以降、日本企業は業績を回復させるため、間接部門、あるいはコストセンターと言われる部門の経費を削減し続けてきた。効率化の名の下に、人員を削減した部門もある。2008年のリーマンショックの後、傾向はさらに強まっている。 結果的に、一部の現場は経営トップが知らないうちに信じられないほど疲弊した。早期退職などによりベテランが予定よりも早く姿を消す中で、継承できなくなるノウハウが増えている。 生き残りを賭けた短期的な経営判断としては正しかったのかもしれないが、思っても見なかった形で疲弊した現