「ヒトゲノム計画」で遺伝子分野に興味をもった ――桜庭さんは研究者を経て、ビジネスの世界へ入り、6年前にゲノム(遺伝子)ベンチャーの「バリノス(Varinos)」を立ち上げました。ゲノムに関心を抱いたきっかけは何ですか。 医学部を目指していましたが、ちょうどその頃、人間の全DNAの配列を解析するヒトゲノム計画(※)が始まりました。 ※ヒトゲノム計画:生命の設計図であるDNAの配列を解析する国際プロジェクト。米国の提唱によって1990年に国際協力で開始。2003年に解読終了が発表された。 「解析に20年はかかるが、未来の人類の健康に必ず貢献する」という記事を読み、自分のやりたいのは研究であり、医学部より理学部が向いていると考え、理学部へ進みました。 ――ゲノム計画が始まった当時、日本は世界の先頭を走っていました。ところが研究予算配分などで揉め、2003年の解読終了時には、日本の存在感がすっか