常日頃から、私はブツブツ言っている。女といっても今時嫁入り修行だけをしていては尊敬されないし、かといって職場に残れば今でもお局負け犬売れ残りのレッテルを免れないし、そもそも女性で順調に出世というのもやや非現実的なままである。 米心理学者による本書は、そんな私の文句に対して、男の方がさらに深刻な状況にあると示唆する。性から、あるいはもっと広く社会から自分を遠ざけ、ゲームやポルノにへばりついたまま社会生活を循環させてしまう。そもそもなぜ男が情けなく劣化の途を辿っているのか。その原因について、米の臨床現場における薬物療法の現状やポルノによる生殖機能が鈍る作用などトリビアルな研究結果を網羅的に紹介し、解決策を提案するまでが本書の主題である。 ユニークなのはゲーム、学校、ポルノ、ネット、などの劣化加速装置の列挙に続いて「女性の隆盛?」という章が設けられていることだ。確かにかつての男らしさは女に代替可