日本各地に痛ましい被害を残した台風8号が過ぎて、暑い夏がやってきた。 福島原発事故後4度目の夏だが、7月8日に宮城を訪れた経団連の榊原定征会長は、「夏の電力供給」を「綱渡りの状態」(2014年7月8日日本経済新聞)だといって、相変わらず原発推進を謳う。経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体は、5月には「エネルギー問題に関する緊急提言」で「低廉・安定的な電力供給」を求め、6月にはトップが揃い踏みで、安倍首相に原発の再稼働プロセスの加速を要請した。 しかし、実際は今年の夏の電力供給も極めて安定的に行われるのである。 原発分1000kWは国民の節電意識でクリア今回は東電の事情を直視しよう。消費者側の節電意識はガッシリと根付き、電力が足りないという理屈は通用しなくなった。事故後に東電が公表してきた最大電力とその内訳を見れば明らかだ。事故前は6000万kWに達していたが、事故後は5000万k