民法の除斥期間に関して重大な判例変更があった。 まずは旧民法第724条を*1。 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したとき*2も、同様とする。 これについて判例は、「不法行為によって発生した損害賠償請求権の除斥期間を定めたものであり、それゆえ、その主張が信義則違反または権利の濫用に当たることはない」としていた(最高裁平成元年12月21日判決。 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/709/052709_hanrei.pdf )。 ところが、2024年7月3日の最高裁大法廷判決においては、以下のようになった。 本件請求権が改正前民法724条後段の除斥期間の経過により消滅したものとすることは、著しく正義・公平の理