衆議院小選挙区制の徹底検証を!~日本の劣化を深めた制度要因 「論座」終了にあたり日本政治の望ましき展開を妨げている事由を論ず【1】 田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授 「論座」が幕を閉じるにあたり、私は一読者として、また一執筆者として、あらためて本欄が果たしてきた貴重な役割に敬意を表したい。 論座で私は、これまでに80本の論考を執筆してきた。今回から3回、論座への寄稿の結びとして、この時代の日本政治の望ましい展開を妨げている三つの事由を指摘したうえで、自らの見解を明らかにしておきたいと思う。 失敗に終わった平成の二大改革 三つ事由とは、(1)衆議院に導入された現行小選挙区制、(2)“本筋”の行政改革から逸(そ)れた省庁再編、(3)思想潮流の低迷と構想力の欠如――である。いずれも私自身が、かつて政治の現場で深く関与し、その意味で格別の責任を負うべき問題だ。 「平成の二大改革」とも言うべ
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