鉄道業界に逆風が吹いている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って企業の在宅勤務や臨時休校の動きが広がり、通勤・通学の定期客の利用が大幅に減少。イベントの中止や外出自粛でレジャー需要もほとんどなくなっている。 雇用や生活の先行きへの不安など、社会に広がる閉塞感のためか、このところ鉄道の人身事故が増えていると感じる人も多いようだ。 「大手民鉄初! ホームドア・センサー付固定式ホーム柵 設置100%達成」。東急電鉄は3月18日、このように題した報道資料を発表した。3月22日の等々力駅でのホームドア運用開始によって、東横線、田園都市線、大井町線の全64駅で設置が完了したという内容だ。未知のウイルスの襲来さえなければ、記者会見を開いて大々的にアピールをしたかった、というのが同社の本音だろう。 今年は人身事故がゼロ 実際に鉄道の安定輸送にどれほど寄与しているのか。同社によると、駅での人身事故は昨年8月