搬入が終わって5年になる建設残土。雑草に覆われ、夏になると所有者夫妻は草刈りに追われるという=2023年5月20日、愛知県弥富市、臼井昭仁撮影 「ただで土を入れてあげる」。そんな甘言にだまされ、農地に高さ10メートルもの建設残土の山を築かれた愛知県弥富市の所有者の住民。撤去のため5年にわたって、あらゆる手を打ったが変わらなかった。追い打ちをかけるように、今度は市が前年度の約70倍もの固定資産税の支払いを求めてきたという。 【写真】「ただで土あげる」信じたら10mの山 撤去に7千万円 所有者の女性らによると、この土地は、もとは深さ数十センチの金魚の養殖池で、広さは約5100平方メートル。2017年に不動産ブローカーから、「池を埋めて農地にしてあげる」と持ちかけられ、ダンプカーが繰り返し土砂を運び入れた。あまりにも多く、中止を再三、求めたが搬入は約9カ月間続いた。 約束では、埋めるのは隣接する