便潜血 1.便潜血検査とは 消化管のどこかで管腔側(内側)から出血すると、便の中に血液が混入します(血便)。出血が多い場合には、出血の部位によりタール便から暗赤色、鮮紅色の顕血便すなわち肉眼的血便となりますが、出血が少量の場合には肉眼的な変化に乏しく(潜血便)、便の潜血反応を行うことで消化管出血の有無を診断します。 以前から行われてきた化学的便潜血検査(化学法)は、便中の血液成分による反応を利用した非特異的血液検出法です。この方法には食肉などの食事や鉄剤、ある種の薬剤と反応し偽陽性になりやすいという欠点がありました。 これらの問題を解消する目的で開発されたのが、食事制限の必要がなく、便中のヒト由来のヘモグロビンに特異的に反応を示す免疫学的便潜血検査(免疫法)です。化学法と免疫法でそれぞれ長所、短所がありますが、最近では免疫法が主流で、大腸がん検診の一次検査や下部消化管疾患のスクリーニング法