ラーニング・コモンズと大学図書館 赤澤 久弥 「ラーニング・コモンズ」の設置が日本の大学図書館で進んでいる。その概念が国内で広がりだしてから10年も経たない施設であるが,既に国内では200を超える設置例があるという。ラーニング・コモンズは,主にアメリカの大学図書館における学習支援の文脈に位置づけられるものであり,協同学習エリア,コンピュータエリア,プレゼンテーションエリア,リフレッシュエリア,さらにはサポートデスクを配した図書館員や学生などによる人的支援などがその要素としてあげられる。 近年の中教審答申などで,学士課程教育の再構築や能動的な学習形態「アクティブ・ラーニング」の導入が求められており,また,今年8月には文部科学省から,大学図書館の「学習空間」整備の必要性を示す報告が出された※。こうした状況の中,ラーニング・コモンズの設置は今後一層進むことが予想される。 ところで,「コモンズ」は