* 前置き 架空の裁判状況を考えましょう。 裁判官がわたしに質問します。「5月12日の午後7時頃、確かにその男を東京で見たのか」と。 「見た」とわたしは答えますが、裁判官はさらに疑いの念を向けてきます。 「本当は夢で見たのではありませんか? そのとき自分が見ていたものが夢でないと確認することができますか?」と。わたしは何と答ええるべきかわからなくなって沈黙します。 現実の裁判で裁判官が夢の可能性について疑いはじめることがどれだけあるのかわかりませんが、『インセプション』のなかでなら、「これは夢かもしれない」という疑いはありふれたものです。日常的な状況で「それは夢だったかもしれない」と言うことは哲学的なジョーク以上のものではないかもしれませんが、『インセプション』のような状況に置かれれば、われわれはまったく自然に「これは夢かもしれない」と疑います。哲学的疑問「これは夢かもしれない」と『インセ
2010-3-18 『京都大学文学部哲学研究室紀要 : Prospectus』(12)を公開 2010-3-16 プレスリリース論文「2次元空間に「最も重い電子」を実現」を公開 2010-3-15 『African Study Monographs. Supplementary Issue.』(40)を公開 2010-3-11 応用哲学会の電子ジャーナル"Contemporary and Applied Philosophy"を創刊 2010-3-10 『人環フォーラム』(26)を公開 2010-3-9 『京都大学高等教育研究』(15)を公開 2010-3-5 KURENAI収録論文数が5万件を突破! / 【特別インタビュー】生命科学研究科・標葉隆馬さん(博士後期課程) 2010-3-3 『物性研究』を公開 2010-3-1 『泌尿器科紀要』55(2)を公開 2010-2-26 プレスリリ
「人間の終焉」とは何か? 前回はデリダのエクリチュールに付きまとう「死」の問題について考えてみました。今回、取り上げるフーコーもまた、ある意味、「死」の思想家だといえます。彼は、近代の前提となっていた「人間」をめぐる、生き生きしたエクリチュールが終焉する可能性を示唆しています。その主著『言葉と物』の末尾のほうで、ニーチェの「神の死」とからめて、神を殺してしまった「最後の人間」の運命について、彼は以下のように述べています。 彼は神を殺したのだから、みずからの有限性の責任をとらねばならぬのは彼自身であろう。しかし、彼が話し思考し実存するのは神の死においてであるから、その虐殺そのものも死ぬことを余儀なくされる。新しい神々、おなじ神々がすでに未来の大洋をふくらませている。人間は消滅しようとしているのだ。神の死以上に――というよりはむしろ、その死の澪のなかでその死とのふかい相関関係において――ニーチ
> イベント一覧ページへ UTCPのイベントは特に断りのない限り、どなたでも参加できます。とりわけ学部・修士課程学生の参加も歓迎します。
「対戦型哲学史」は、哲学者たちの間の対立や相関をノードとしたネットワークによりその思想を浮かび上がらせた、新しい方法の「哲学史」です。+url:kuru/PHILOFIGHTに続けてキーワードを入力すると、対戦型哲学史のみの検索が可能。 哲学史には、《新奇さ》を縮減する機能があります。 「目新しい思想」は、常に何ものかの繰り返しであり、コピーであり、焼き直しです。そのことはその思想の価値を(そんなものがあるとしたら、ですが)いささかも減じるものではありません。むしろその思想に「存在理由」のようなものがあるとしたら、それは「再び出現した」ことにこそ、求められるでしょう。 「対戦型哲学史」は、哲学者・思想家たちの間の「対戦」、すなわち対立、相関をノードとしたネットワークにより、思想家とその思想を浮かび上がらせた、新しい方法の「哲学史」です。 「対戦」とは、哲学史上の著名な「論争」であり、
→紀伊國屋書店で購入 哲学者には奇人変人が多く、紀元前三世紀には珍奇なエピソードを集めたディオゲネス・ラエルティオスの『ギリシア哲学者列伝』のような無類に面白い本まで書かれたが、本書はもしかしたらその近代版を意識したのかもしれない。堀川哲氏はデカルトから現代のリチャード・ローティまで、30人以上の哲学者の学説と肩の凝らないのエピソードを平明な語り口で披露している。 もちろん哲学者は最終的には残した著作で判断されなければならないが、本書のようにどうやって食べていたか、どんな学校で勉強したかにこだわって見ていくと、通常の哲学史では切りおとされているものがいろいろ見えてくるのである。 デカルトはラ・フレーシ学院というイエズス会がやっていた全寮制のエリート校で勉強したが、生来体が弱く、学院長が親族だったこともあって、朝寝坊してよい特権があたえられた。若い頃、軍隊にはいったが、無給士官というお客様待
哲学の系譜 | 多島海 | フーコー | レヴィナス | アレント | 哲学の概念 | ジャーナル | プロフィール ▼中山元の私家版 電子叢書「中山文庫」 アマゾンKindle版で刊行中▼ 中山 元『徹底読解『判断力批判』4』Kindle版【光文社】 中山 元『徹底読解『判断力批判』3』Kindle版【光文社】 中山 元『徹底読解『判断力批判』2』Kindle版【光文社】 中山 元『徹底読解『判断力批判』1』Kindle版【光文社】 トマス・ホッブズ『リヴァイアサン』(一) 中山 元 訳・解説 ルソーの方法 第三部 人間の教育者から孤独な夢想家へ ルソーの方法 第二部 共和国と永久平和を求めて ルソーの方法 第一部 文明批判から社会契約へ 抵抗の思想 共感の哲学 人はなぜ他人に同情するのか ルソー文明批判の出発点 第一論文『学問芸術論』を読む ルソー政治哲学の歩み 国家運営論としての
哲学教育 論理的な思考力を鍛えよう(11月23日付・読売社説) 「哲学」の語源はギリシャ語の「フィロソフィア」(知恵を愛する)に由来する。 明治時代の初期、賢哲の明知を愛し希求するとの意味で「希哲学」と訳され、さらに「哲学」と呼ばれるようになって定着した。世界の根本原理を追究する学問だ。 14歳の少女を主人公とした哲学ファンタジー「ソフィーの世界」が日本でもベストセラーになり、哲学ブームと言われたのは、1990年代半ばのことだった。 ブームは過ぎ去り、哲学は実用性に乏しい学問と見なされ、多くの大学の教養課程の履修科目から姿を消しつつある。 しかし、思考力や論理性を徹底的に鍛える哲学教育の推進は海外で大きな潮流となっていることを見逃してはならないだろう。 幸せとは何かといった思春期の子供たちが抱く素朴な問いは、古今東西の哲学思想との出会いにつながる。新しい生命倫理の問題など現代の複雑な課題に
司会挨拶、提題者紹介 只今からFINE千葉フォーラム第一回を開催いたします。私は千葉大文学部でこのプロジェクトのリサーチアソシエイトを勤めております塩谷と申します。よろしくお願いします。FINEといいますのは今年度から学術振興会の未来開拓事業という形で行われております「情報倫理の構築」というプロジェクトの略称でございます。京都大学、広島大学、並びに千葉大学の三拠点におきまして、複数年次計画におきまして21世紀における全般的な情報倫理の構築を目指すプロジェクトとして活動を始めたところであります。各拠点ごとに様々な活動を行っておりますが、今回その一環といたしまして専門家の方々をお招きし、自由な討論を交わしながら新たな倫理像を探っていこうと考えております。 今回第一回目といたしましてFINEのプロジェクト全体のリーダーであります京都大学の水谷雅彦先生、そしてもう一人、FINEのコアメンバーであり
略歴 1945年、ウルグアイのモンテヴィデオ市に生まれる。 1971年、サ ルヴァドー ル大学(アルゼンチン、ブエノスアイレス)にて哲学修士学位取得。 1972-73年、核エネルギードキュメンテーションセンター(ドイツ、カールスルーエ)研究員。 1973年、ドキュメンテーションスクール(ドイツ、フランクフルト・アム・ マイン)卒業。 1978年、デュッセルドルフ大学(ドイツ)より哲学博士学位取得。博士論 文:『情報』。 1980-85年、カールスルー エ専門情報センター勤 務。 1986-2009年より、シュトゥットガルト・メディア大学教授(情報学、情報倫理学担当)。 1989年、シュトゥットガルト大学より教授資格(倫理学・実践哲学)取得。 教授資格論文: 『専門情報の解釈学』。 1989-2004年、シュトゥットガルト大学哲学研究 所私 講師。 2000-2005; 2005-2010
「自分はノンフィクションライターではないのか」という自覚?疑念?がうまれ、ノンフィクションを意識して読んだ。結果、あたりまえといえばあたりまえだが、現象学的な質的研究とノンフィクション文学との違いは意識できるようになった笑。とはいえもしも良質のドキュメンタリーが書けるのであればそれはそれで本望だし、現象学はまだドキュメンタリーの高さと重層性に届いていない。 西成区にきがつくとほぼ毎週通っていることから、差別を生き抜いてきた人たちの歴史を勉強したくなってきた。加えて、西成では支援者の皆さんからはいろいろなことを学んでいるが、もともと研究上のテーマとしていることとは別に、「歴史」ということをリアルに感じることが初めてできている。いままで歴史学や歴史哲学が語る「歴史」を自分の生活とリンクさせることができなかったのだ。以下は読んだ順番にあげる。 上原 善広(2009/2012)、『日本の路地を旅す
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