【秋葉原通り魔事件】 『母が食事を告げると3人が部屋から降りてきて無言で食卓を囲み、また各々の部屋に帰る。そんな毎日です』 ―食卓の風景はその家族を現すというが、血の通わない光景である。1階に住む母親が、2階の個室に別々に暮らす夫と子どもに『食事を告げる』。まさに、囚人を呼ぶ看守のごとくだ。夫婦連合もできていなければ、父子の間に世代間境界もないことが分かる。 このように、二人の大人がいるのに、その関係が対等ではなく、片方が完全に従属している場合、子どもたちは従わざるを得なくなる。ことに、男の子にとって父親は自分たちのモデルだ。そのモデルが黙って従っているのだから、自分たちも黙って従わざるを得ないのである。こうして、母親の権力は絶大なものになっていく。 母親が絶対権力を持っていたことを示すのが、前項の、加藤容疑者がまるで犬畜生のように扱われた事件である。彼は絶対権力者の前で、兄弟にも、父親(