日本の江戸時代の秤量銀貨である丁銀は、慶長期までは、端数のために切断した上で使用されたことがあり、これを切遣いといい、切遣いされた丁銀を切銀という。古丁銀や前期慶長丁銀は切遣いしやすいように薄く作られており、また極印もどこを切っても少なくとも一部が残るように繰り返し打たれている。元和期になって端数計算に便利なように小重量銀貨である豆板銀が作られるようになり、そのころに丁銀の切遣いは禁止されたとされる。しかし、後年においても定量の包銀などを作るため、丁銀の切断が稀に行われており、その現物も現存している(後期慶長丁銀や文政丁銀など)。[1][2]