『お坊さんにならう こころが調う 朝・昼・夜の習慣』(平井正修著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、臨済宗国泰寺派全生庵住職。本書においては、1日を清らかにスタートし、「不安や心配な気持ちをしずめ、心を落ち着かせる」方法を伝授しているわけです。まず印象的なのは、「はじめに」に確認できる以下の部分です。 いま、心理学や脳科学に基づいた、「心をしずめる方法」が世の中にはたくさんあるようです。しかし、人間の心をどう扱うかと考えるときに、必ずしも科学的なアプローチだけが有用だとは私は思いません。 むしろ、理屈ではなく、人間の経験に基づく智慧(ちえ)にこそ、私たちの不安な気持ちを解き放ち、穏やかに暮らすためのヒントがあるのではないかと感じています。 それが、禅寺の修行であり、座禅なのです。(「はじめに」より) 「修行」という言葉には、なにか特別なことをしているような、あるいは「水を被る」「