先日、とある工場で起きた怖い話。 繁忙期にはいり製造が追いつかなくなったため、事務である私も現場に駆り出されることになった。 現場に入ると痩せて青白い顔をした女性が待っており 「Aさんは・・・こちらのラインで・・・箱詰めされた部品を・・・運送用のダンボールにつめて・・・ください」 と蚊の鳴くような声で説明をしてくれる。 続けて「かならず・・・裏をチェックして・・・くださいね」という。 裏? 裏の何をチェックするのだろうか。 女性に尋ねようとするが、別のラインから声がかかった女性は「よろしく・・・おねがいします・・・」と言い残し去っていってしまった。 仕方なくラインに入り、流れてくる箱を取り上げ、裏面を見る。 真っ白だ。真っ白な箱なのだ。 首をひねりながら、そっと私の横のラインの女性を見る。 彼女はつまらなそうな顔で、コンベアから箱を取り上げ裏面をちらっと見てダンボールに収めていく。 わから