物心ついた頃には父親はいなかった 母親は夜職でまともに家に帰らないので家で会話することはほとんどなかった 年の離れた姉と年子の妹の3人で生活していた 姉は高校を出ると就職して二人の面倒をみてくれるようになった その頃から3人の子どもは親戚の家でバラバラに預けられて離れ離れになった 預けられていたというより祖母が経済状況を見かねて親戚にかけよってくれてなんとかお願いしていたということらしい 祖母と姉は同居していた 夏休みと冬休みだけ三人の子どもが祖母の家に集合して短い期間を一緒に過ごした ある日妹が学校に行きたくないと言い出した 妹が預けられている家から祖母に連絡がいったらしい 妹と私は同じ学校に通っていたが学校で交流することはほとんどなかった でも妹がいじめられていることはなんとなく気づいていた 祖母から学校での様子を尋ねられたときに正直にいじめられているかもしれないことは伝えた 祖母は無