「吉本のマネジャーの仕事は、芸人のスケジュール管理だけやおまへん」 聞き覚えのあるダミ声を張り上げながらベテラン漫才師、西川のりお(61)は、熱っぽく語り始めた。 一般に芸能プロダクションのマネジャーといえば、タレントの付き人のような存在と、イメージ戦略を考えて媒体に売り込むデスクに分かれるが、吉本の場合は少し事情が異なる。 「吉本では芸人の出番に関係なく、マネジャーがテレビ局に顔を出している。先方に『使ってください』とアピールするだけでは失格の烙印(らくいん)を押されます」 ポッと出の新人から大御所まで約千人のタレントが所属する吉本。これに対し、マネジャーの数はわずか50人にも満たない。 のりおのマネジャー、萩原雄一(28)は「1人で芸人5組を掛け持ちするのは当たり前」と事もなげに話す。マネジャー歴6年目の萩原自身、のりおや女性漫才コンビ、今いくよ・くるよら5組9人の芸人を担当する。 吉