丸山眞男の「古層論」と加藤周一の「土着世界観」 田口富久治 (注)、これは、田口富久治名古屋大学名誉教授が、『立命館大学・政策科学9巻2号』(2002年1月)に発表した論文です。このHPに全文を転載することについては、田口氏の了解をいただいてあります。なお、文中の「傍点個所」は太字にしました。 〔目次〕 はじめに 1、丸山眞男と加藤周一の交渉 2、丸山眞男の「古層論」 3、加藤周一の「土着思想論」 むすび (関連ファイル) 田口富久治論文の掲載ファイル 健一MENUに戻る はじめに 第二次大戦後の日本思想界において、世界に開かれた普遍主義的視座と思想と教養をもち、しかも広い意味での日本思想史研究に卓抜した業績をあげて戦後思想界をリードしてきた思想家・研究家ないし評論家として、丸山眞男(1914~1996年)と加藤周一(1919年~)をあげることに異論をもつ知識人は少いであろう。 本稿で