「もう会社には入れません」--。外資系企業で働く労働者が、身分証などを取り上げられ、職場から閉め出される形で退職を強要されるケースが相次いでいる。かつて、労働組合が会社の偽装倒産などに反対し「ロックアウト」で職場を占拠したこともあったが、逆のケースだ。外資系社員の組合員が急増しているユニオンは、「外資系でも当然日本の労働法は適用される。勝手な解雇は許さない」と話している。 ロックアウト型退職強要の相談が増えているのは、個人加盟の労働組合の「東京管理職ユニオン」(橋本忠治郎委員長)。昨年のリーマン・ショック以降、解雇や退職強要の相談が増え始め、今年に入り特に外資系の相談が増えた。6月までに同労組が取り組んだ団体交渉は約100件に上るが、このうち約50件が外資系の金融や生保、証券、IT関連企業が占める。これまで外資系で10件以上、ロックアウト型の相談があったという。 ロックアウト型の退職強要は