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  • 図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話(1) - 火薬と鋼

    最近、公共図書館BL(ボーイズラブ)の資料を置くことについて色々とニュースになり、ブログでも話題になった。 まず、この手の問題は当然のように過去に参考になる例がある。 この問題は2つの方向性から考えられる。 (1)性的な描写のある資料をどう提供するか (2)同性愛の描かれた資料をどう提供するか この2つは「資料が偏っている」との批判も交えて入り組んでおり、(1)や(2)のような特定分野の資料を排除したい動機で資料の偏りが叫ばれることが多い。 まずは(1)の例について紹介しよう。具体的な事例ではないが、比較的近い話として青少年条例が制定され、有害図書指定が進んだ1990年前後の時代の例がある。 先例:有害図書と図書館 図書館界として大きく有害図書が取り上げたのは1992年の図書館雑誌の特集や全国図書館大会においてである。 背景として宮崎勤事件においてポルノコミックが犯人の人格形成に寄与した

    図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話(1) - 火薬と鋼
    kodaif
    kodaif 2008/11/15
  • 図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話(2) - 火薬と鋼

    図書館BL図書を置く問題について、参考になりそうな話(1) - 火薬と鋼→ そもそもボーイズラブを扱った小説を置いて害があるのだろうか。固定観念による判別は、アメリカで「ハリー・ポッターは有害な図書だ*1」として公共図書館・学校図書館での利用制限や検閲を主張するキリスト教右派と同じようなものではないか? 日で同性愛を扱った資料が大きく問題になったことはこれまで無かったが、アメリカでは有名な事例がある。それがこれから紹介するウィチタフォールズ市立図書館裁判である。 図書館と同性愛を扱った〜ウィチタフォールズの事件〜 問題となったのは、アメリカで発行された『ヘザーには2人のお母さん』(原題Heather has two mommies, 1989)と『お父さんのお友達』(原題Daddy's roommate, 1991)の2冊の絵である。これは子ども(前者は3〜8歳、後者は2〜6歳対象

    図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話(2) - 火薬と鋼
    kodaif
    kodaif 2008/11/15
  • 図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話(3) - 火薬と鋼

    図書館BL図書を置く問題について、参考になりそうな話(2) - 火薬と鋼→ 私個人の見解を表明しておきます。まず私は図書館資料の価値論と要求論では価値論に重きを置いていて、ボーイズラブ小説を大量に受け入れることには否定的です。しかしそれは収書方針や他の蔵書との兼ね合いで総合的に専門家(職員)が検討すべきことであり、ボーイズラブの図書だけを特定の嗜好・倫理観を元に排除、規制することにも反対します。まして受入済の資料を規制するのはかなり強い理由がなければやってはならないことです。ボーイズラブを不快に思う感覚は、読書の自由よりも優先されなければならないものだとは思いません。 サンド対ウィチタフォールズ市裁判 アルトマン決議採択後、市支配人は『ヘザーには2人のお母さん』と『お父さんのお友達』を成人部門に移動する請願が集められ、図書館長が市支配人に移動の是非を上訴しても市議会に持ち込まないことを表

    図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話(3) - 火薬と鋼
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    kodaif 2008/11/15
  • 図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話(4) - 火薬と鋼

    図書館BL図書を置く問題について、参考になりそうな話(3) - 火薬と鋼→ 日では同性愛はジョークとフィクションでしか重視されず、ボーイズラブ小説も同性愛者のためのものというわけではない。この点がアメリカの事例との大きな違いだが、図書館所蔵の同性愛を描いた資料を排除しようとする側の論理には共通点が見られる。それは、同性愛に対する否定的認識とそうした倫理観に基づく検閲の肯定である。 サンド対ウィチタフォールズ市裁判の判決 証言の後、J.バッチマイヤー(Jerry Buchmeyer)裁判官は暫定的差止命令として2冊の絵を児童部門に戻す命令を発行し、市もそれを受け入れた。裁判官が示した理由は (1)原告勝訴の可能性が高い。 (2)暫定的差止が認められなければ原告が回復不能な被害を受ける。 (3)原告への損害は暫定的差止が起こす損害よりも大きい。 というものである。合衆国憲法修正第一条は明

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    kodaif 2008/11/15
  • 図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話(5) - 火薬と鋼

    図書館BL図書を置く問題について、参考になりそうな話(4) - 火薬と鋼→ 今回で終了。 サンド対ウィチタフォールズ市裁判判決後のコメント 判決後、Times Record Newsに判決後の被告側・市関係者のコメントが掲載された*1。掲載されたコメントを若干整理して紹介する。 ヒューズ館長 一貫して問題となった絵を児童部門に置くことの妥当性を主張し、アルトマン決議に反対していた館長は、判決で「2冊の絵の不幸な検閲事件の真のヒロイン」と評された。館長は判決を評価し、「子どもの図書への検閲は親の責任としたが、それがあるべき姿である」とコメントした。 アルトマン市議会議員 問題となった決議を生み出したアルトマンは「決議は合憲で、図書の検閲ではなく、誰の利用も拒んでいない」とし、また判決で住民300人の署名で図書の状態を変えられるという点が非難されたことについて、ただ一人の図書館職員が児童

    図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話(5) - 火薬と鋼
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    kodaif 2008/11/15
  • 図書館はゾーニングしない - 火薬と鋼

    BL小説に関連して、図書館がゾーニングに反対してきた原則を紹介する。 図書館は、情報へのフリー・アクセスを守る立場からゾーニングをしないのが原則である。元々図書館の権利宣言にはこうした趣旨が含まれていたが、改めてこの原則が明文化されたのは1971年アメリカ図書館協会が作成した「図書館資料の貸出制限に関する助言声明」(Advisory Statement Concerning Restricted Circulation of Library Materials)である。 これは当時図書館界で『エパミノンダスとおばさん』(Epaminondas and His Auntie)という絵が黒人を愚か者として描いていて差別的だとされた問題が背景にある。この資料に対して貸出制限が設けられた事件に対応してALAの知的自由委員会が声明を出した。その内容をまとめると以下のようになる。 (1)アクセスの制

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    kodaif 2008/11/15
  • 図書館からBL小説を締め出すな - 火薬と鋼

    堺市立図書館BL小説の扱いについて、いまだにあちこちで議論がなされている。 BLBL読みを貶めるのもいい加減にしてもらいたい。 - __ScrapBook of Plumberのはてブコメントを見ていてまた腹が立ってきたのでエントリを立ててみる。正直いって、この種の知識がなさそうな人のはてブのコメントにはろくなものがない。 自分の見解は前に図書館BL図書を置く問題について、参考になりそうな話(3) - 火薬と鋼に書いた通り。 私個人の見解を表明しておきます。まず私は図書館資料の価値論と要求論では価値論に重きを置いていて、ボーイズラブ小説を大量に受け入れることには否定的です。しかしそれは収書方針や他の蔵書との兼ね合いで総合的に専門家(職員)が検討すべきことであり、ボーイズラブの図書だけを特定の嗜好・倫理観を元に排除、規制することにも反対します。まして受入済の資料を規制するのはかなり強い

    図書館からBL小説を締め出すな - 火薬と鋼
    kodaif
    kodaif 2008/11/15
    ”図書館は思想善導の道具ではない。情報提供の場だ。” ”ともかくネットにやたら検閲好きがいるというのは頭の痛い話だ。”
  • 図書館はなぜBL小説を受け入れたのか・その他の問題 - 火薬と鋼

    今回は図書館情報学の話に自分の感情の話も混じっているので、分かりにくいし賛同や理解が得られない部分もあると思う。 堺市立図書館BL小説の一件について、http://d.hatena.ne.jp/Thsc/20081114/p2に対しての反応である。Thscさんの論は、肯定できる部分とそうでない部分があるのだが説明が難しい。Thscさんの論だけに限定せず、この問題を取り巻く話全般に広げてしまっているが、勘弁してほしい。Thscさんの問題意識とズレてしまっている部分は、もう図書館情報学に関わった挙句の病気のようなものだ。 まず、これまでここでは図書館が既に所蔵している資料の扱いについての原則を説明してきた。 これは、図書館がどういう原則で活動しているか、それ自体知られていないのではないかと思ったため、理解しやすい部分から説明したほうが良いと思ったからである。 実際にはどうしてそのを買ったの

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    kodaif 2008/11/15
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