三月二二日、ガーナ人のアブバカール・アウドゥ・スラジュさん(当時・四五歳)がガーナへの強制送還中に死亡した。日本人と結婚しており、退去命令の取り下げを裁判所に申請するなど送還に同意しないスラジュさんに対して、約一〇人の入管職員はタオルで猿ぐつわをし、手錠をかけ強引に機内へと搭乗させた。しかしその後、スラジュさんがぐったりしているのに乗組員が気づき成田空港内のクリニックに搬送されたが、死亡が確認された。 スラジュさんの妻や支援団体APFSは三日後三月二五日、法務省に説明を求める要請行動に出たが、「すまないことをしたと思っている」(同課長)との供述のみで具体的な説明や公式謝罪は出されなかった。 六月に入ってもなおスラジュさんの遺体は警察署から妻の元に戻っておらず、法務省の「誠意ある対応も見られない」(吉田真由美APFS事務局次長)ことからスラジュさんの妻とその代理人である弁護団は、六月二八日に