「ここでは”Interesting”って言うのは禁止にしてるの」 彼女はそう教えてくれた。 「面白いって思った時に、”面白い”って言うとそれで終わっちゃうのよ。それって残念でしょ?」 「残念?」と僕は聞いた。 「そう。面白いことはもっと面白くしたり、別のアイデアにつなげたりしたいじゃない?」 彼女は笑ってそう言った。 僕にとって、それは目が覚めるような言葉だった。 優れたアイデアをただ「おもしれぇ」と聞いていた僕と、 どうすればそんなアイデアを出せるのか考えていた彼女たち。 研究をスポーツにたとえれば、彼女たちがプレイヤーで、僕はただの観客だった。 自分が情けなくて、死にそうだった。 留学先で教えられたルールは、他にもいろいろあった。 人の発言に意見する時は、必ず最初にポジティブなことを言う(感情的にならず、建設的な議論ができる) ミーティングで発言しないなら、参加しない方がいい(邪魔だか