鉄道で南北に分断されていた街が、路面電車の「軌道」で1つにつながった。 富山市が進めてきた、路面電車の「南北接続事業」。富山駅の南側を走る富山地方鉄道(富山地鉄)の市内電車と、北側を走る富山港線(旧富山ライトレール)の軌道を駅の高架下で接続するという同事業が完成し、3月21日から南北の直通運転が始まった。 直通運転初日は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当初予定していた運賃無料化がなくなるなどイベントの縮小はあったものの、富山駅周辺や電車内は初乗りに訪れた市民らでにぎわった。スマートフォンのカメラで電車を撮影していた若い男性は「富山、進化したなって感じですね」と笑顔で語った。 「100年の夢が実現」 富山駅北口近くのホールで開いた記念式典で、同市の森雅志市長は南北接続事業を「市が進めてきたコンパクトシティ政策の1つの到達点」と述べ、1908(明治41)年に富山駅が現在地に開業して以来、