ブックマーク / xtech.nikkei.com (207)

  • KADOKAWAがランサム攻撃で「ニコニコ」停止、身代金を支払うもデータ復旧できず

    出版大手のKADOKAWAが大規模なサイバー攻撃を受けた。ランサムウエアによって複数サーバーのデータが暗号化。子会社のドワンゴが運営する「ニコニコ動画」などがサービス停止に追い込まれた。KADOKAWAの業務サーバーも使えなくなり、業務に影響が出た。取引先や従業員の情報漏洩も確認されている。 KADOKAWAへの大規模なサイバー攻撃が分かったのは、2024年6月8日土曜日の午前3時30分ごろ。グループ内の複数サーバーにアクセスできない障害が発生していることが検知された。 子会社のドワンゴが運営する動画配信サービス「ニコニコ動画」「ニコニコ生放送」をはじめとする一連の「ニコニコ」サービスのほか、チケット販売の「ドワンゴチケット」などが提供不能になった。 8日午前8時ごろには、不具合の原因がランサムウエアを含むサイバー攻撃であることを確認。グループ企業のデータセンター内におけるサーバー間通信の

    KADOKAWAがランサム攻撃で「ニコニコ」停止、身代金を支払うもデータ復旧できず
  • VMware問題でIIJやNTTコムなどが大幅値上げ、クラウド料金が2~3倍になる場合も

    米Broadcom(ブロードコム)によるVMware製品ライセンスの変更による影響が、国産クラウドベンダーに波及している。VMware製品を使う国産クラウドベンダーが相次ぎ、値上げを始めたからだ。ユーザーが支払うクラウド利用料金が2~3倍に跳ね上がったケースもあるという。 IIJとNSSOLは値上げ済み、NTTコムは7月から値上げ 日経クロステックの取材によって、既にインターネットイニシアティブ(IIJ)と日鉄ソリューションズ(NSSOL)が値上げを実施済みであり、NTTコミュニケーションズも2024年7月に値上げ予定であることが分かった。 富士通とソフトバンクは、値上げの有無や予定についての回答を拒否した。しかし日経クロステックの取材では、富士通が既に複数の顧客に対して値上げを打診していることが分かっている。 ソフトバンクは2024年6月13日時点で、クラウドサービス「ホワイトクラウド

    VMware問題でIIJやNTTコムなどが大幅値上げ、クラウド料金が2~3倍になる場合も
  • 認証制度への批判は筋違いと国交省、トヨタは正攻法で国際基準を変えるべし

    トヨタ自動車は正攻法で対応すべきではないか」──。国土交通省が違和感を覚えている。トヨタ自動車の認証不正の会見内容と、この会見後に一部で展開されている認証制度に対する批判についてだ。 同社は6つの不正を行っていたが、そのうちの3つは法規認証試験(以下、認証試験)が定める基準よりも厳しい基準を満たすように開発を行い、その試験データを認証申請に使った。これに対し、トヨタ自動車のカスタマーファースト推進部部長の宮眞志氏は「不正の意識がないと言えば言い過ぎだが、お客様に当に良いクルマを届けたいという気持ちがまずある」「より厳しい条件でクルマの開発をしているという自負もある」などと説明した。 加えて、同社の豊田章男会長は認証制度の課題について問われて、「今、私が言うべきではないが」と断った上で、こう回答した。「やっぱり、日の自動車メーカー、特にトヨタ自動車は世界中で販売しているため、日

    認証制度への批判は筋違いと国交省、トヨタは正攻法で国際基準を変えるべし
  • バッファロー製無線LANルーターでボット感染急増、NICTが発表

    情報通信研究機構(NICT)は2024年5月21日、NICTのサイバーセキュリティ研究室 解析チームのX(旧Twitter)公式アカウント「NICTER解析チーム」で、2024年5月20日からバッファロー製無線LANルーターのボット感染が増加していると発表した。50ホスト以上の感染を観測したとする。 感染が目立つのは「WSR-1166DHP」シリーズで、感染経路は特定できていない。NICTの久保正樹サイバーセキュリティ研究所サイバーセキュリティネクサス上席研究技術員は「感染したルーターはDDoS攻撃の踏み台として攻撃者に悪用されると考えられる。感染するとスキャンパケットを外部に送信し、感染を広げる可能性がある」と指摘する。NICTは利用者にファームウエアのアップデートや、管理画面の公開設定の見直しを呼びかけている。 バッファローはNICTが発表した事象について、2024年5月21日午後6時

    バッファロー製無線LANルーターでボット感染急増、NICTが発表
  • 不登校になりそうな児童生徒をAIが予測、戸田市の教育データ活用実証が示したこと

    不登校をAI人工知能)で予測する――。こんな取り組みが2024年3月末まで埼玉県の戸田市で行われていた。2023年11月に戸田市内のパイロット校で試行を始め、同年12月から同市内の公立小学校12校、同中学校6校の計約1万2000人の児童生徒のデータを分析対象に、「不登校予測モデル」構築の実証をした。事業はこども家庭庁の「こどもデータ連携実証事業」として戸田市が受託し、内田洋行、PKSHA Technologyグループとともに進めたものだ。 不登校リスクモデルの目的は学校現場での「プッシュ型支援」につなげること。いち早く不登校の兆候がある児童生徒を把握し、教員が事前に支援する。自らSOSを発信できない児童生徒に対しても、先手を打って手を差し伸べる。経験の浅い教員でも支援のきっかけを得られる。 一方で個人の、それもネガティブと捉えられる傾向を予測する取り組みは、データの取り扱いだけでなく判定

    不登校になりそうな児童生徒をAIが予測、戸田市の教育データ活用実証が示したこと
  • 大手の送信ドメイン認証「DMARC」導入率が8割超に、Gmailのガイドラインが奏功

    Googleグーグル)が2024年2月1日に適用を開始した「メール送信者のガイドライン(Email sender guidelines)」が奏功している。メールセキュリティーベンダーであるTwoFiveの調査によれば、日経平均株価を構成する上場企業225社の送信ドメイン認証「DMARC」導入率は85.8%に急増したという。メールのセキュリティーレベルは確実に向上し、迷惑メールや悪意のあるメールによる被害を防ぎやすくなっている。 DMARC導入状況を定点観測 メール送信者のガイドラインでは、Gmailアカウント宛てに1日当たり5000件以上のメールを送る企業などに対して、送信ドメイン認証「SPF」「DKIM」及びDMARCの全てに対応することを求めている。このうち、最も導入率が低いとされるDMARCへの対応が進むかどうかが注目されている。

    大手の送信ドメイン認証「DMARC」導入率が8割超に、Gmailのガイドラインが奏功
  • 住民税決定通知書の電子化はまさかの暗号化ZIPファイル配布、「紙より不便」の声

    納税者に個人住民税(地方税)の税額を知らせる「住民税決定通知書」の電子化が2024年度から始まる。これまでは勤務先の企業が、従業員の給与から住民税を差し引いて納税し、納税額を知らせる通知書を従業員に紙で配っていた。2024年度からは電子データ形式での配布も選択できるようになる。配布時期は2024年5~6月になる予定だ。 しかし新たに採用される電子配布の方法に、企業の人事担当者らからは「紙よりも不便だ」「この方法は採用できず、紙を続けるしかない」との指摘が相次いでいる。政府が採用したのは、通知書体のPDFファイルをZIP形式で圧縮・暗号化したうえで、復号用パスワードの取得方法を記した別のPDFファイルとともに従業員に社内システムを使って配布するという方法だったためだ。配布や閲覧するうえで非常に不便だ。 政府が廃止宣言したはずの「PPAP」、国民向けサービスでは採用 しかもZIPの暗号化に強

    住民税決定通知書の電子化はまさかの暗号化ZIPファイル配布、「紙より不便」の声
  • 歩道のコケ放置した市に280万円賠償命令、国交省の出張所長が滑って大けが

    国土交通省の出張所長の男性がランニング中に歩道で滑って大けがを負った事故を巡る訴訟で、福岡地裁は道路の安全性に不備があったとして管理者の福岡県那珂川市に約280万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。男性は坂になった路面上のぬれたコケで転倒し、5mほど滑り落ちた。判決では、市と男性の過失割合を6対4と認定した。 転倒事故があった那珂川市の市道。6度ほどの下り勾配になっている。事故発生後、市はコケを除去し、擁壁の漏水対策を実施した(写真:日経クロステック) 事故現場は、山を切り開いて造った那珂川市の市道だ。男性が2020年8月10日午前8時45分ごろ、歩道をランニング中に萩ノ原峠付近の下り坂で転倒し、複数の肋骨を折る大けがを負った。男性は市道の管理に瑕疵(かし)があったとして、国家賠償法に基づき市に約1652万円の損害賠償を求めて福岡地裁に提訴した。 23年10月19日の判決で、福岡地裁は市

    歩道のコケ放置した市に280万円賠償命令、国交省の出張所長が滑って大けが
  • 「ハードだけ売ってほしい」、自動車部品メーカーに突き付けられた異変

    「ハードウエアだけを売ってほしい」。最近増えているのが、自動車部品メーカー(サプライヤー)に対する自動車メーカーからのこうした要求だ。フランスValeo(ヴァレオ)やドイツZF、同Bosch(ボッシュ)など大手サプライヤーも、そうしたケースが増えていることを認める。 背景にあるのは、電気自動車(EV)化の先に見据える、ソフトウエア定義車両(SDV)化や自動運転(AD)化の存在だ(図1)。SDV化やAD化では、クルマにおけるソフトウエアの重要性が増し、自動車メーカーはその主導権を握りたいと考えるようになるからだ。

    「ハードだけ売ってほしい」、自動車部品メーカーに突き付けられた異変
  • 「スタッドレス売れるのは日本だけ」、住友ゴムがタイヤ種類集約で省資源化図る

    住友ゴム工業は、省資源化を目的として、現在「サマー」や「スタッドレス」など性能別に販売しているタイヤを、将来的に全天候に対応する「オールシーズン」タイヤにカテゴリーを集約していく方針を打ち出した。タイヤの性能や耐久性を高めた上で製造数を減らす。同社取締役常務執行役員の村岡清繁氏は「1種類のタイヤで年間通して走りきれるようにする」と説明した。 実現の鍵を握るのは、路面環境に応じてタイヤの性能を変化させる新技術「アクティブトレッド」だ(図1)。同社はアクティブトレッド技術を搭載したコンセプトタイヤを2023年10~11月に開催されたJAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー、JMS 2023)」(東京ビッグサイト)で初披露。同年11月16日には同技術に関する説明会を開催した。 アクティブトレッド技術の市場投入は、まずは日からスタートする。ただし、「主なターゲ

    「スタッドレス売れるのは日本だけ」、住友ゴムがタイヤ種類集約で省資源化図る
  • 全銀システム障害で新事実、本番稼働前から参照テーブルが破損

    全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は2023年10月18日に記者会見を開き、「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」で発生した障害に関する原因調査の状況などを説明した。コアタイムシステムの中継コンピューター(RC)が保有するテーブルが破損しており、「内国為替制度運営費(旧銀行間手数料)」の入力・チェックをする際にエラーが発生していたことを明かした。一方でテーブルが破損した原因については調査中とした。 「今回の問題は当法人だけでなく、我が国の決済システム全体を揺るがす大きな問題と認識している」 全銀ネットの辻松雄理事長は記者会見の冒頭、このように述べて陳謝した。全銀システムは10月10日朝に障害が発生。三菱UFJ銀行やりそな銀行など10金融機関で他行宛ての振り込みに関するオンライン処理などが2日間にわたってストップし、仕向けと被仕向けを合わせて506万件の振込処理に影響が出た。

    全銀システム障害で新事実、本番稼働前から参照テーブルが破損
  • 全銀システムの大規模障害、中継コンピューター2台ともに不具合で冗長構成が機能せず

    2023年10月10日午前8時30分ごろに発生した「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」の障害。全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は復旧に向けた対応を実施しているが、11日午前11時時点で解消のめどは立っていない。 全銀システムは東京と大阪の2カ所のセンターで並行運転し、システムを構成する各種装置や通信回線などをすべて二重化してある。顧客に影響が出るシステム障害が発生するのは1973年の稼働以降、50年間で初めてとなる。 今回、不具合が生じたと考えられるのは、金融機関が全銀システムに接続する際に使う中継コンピューター(RC)のプログラムだ。送金元の金融機関から送金先の金融機関に対して支払う「内国為替制度運営費(旧銀行間手数料)」の設定などをチェックする機能に不具合が生じたと見られる。 きっかけは保守期限到来に伴い、10月7~9日の3連休中に14の金融機関で実施したRCの更改

    全銀システムの大規模障害、中継コンピューター2台ともに不具合で冗長構成が機能せず
  • 清水建設JVが仮堤防の大型土のうを勝手に撤去、越水の原因に

    清水建設などのJVが、千葉県発注の護岸工事で設置した仮締め切り堤防の大型土のうを勝手に一部撤去し、その箇所から豪雨時に越水していたことが分かった。県の調査で他にも4カ所で、土のうを撤去したために必要な堤防高を満たしていないと判明した。県が2023年9月29日に明らかにした。 6個の大型土のうが撤去されていた明光橋下流の仮締め切り堤防。近くの護岸でひび割れを補修する際、必要な土の調達を怠り、土のうを解体して中の土を使用していた。越水発生2日後の2023年9月10日に撮影(写真:千葉県) 千葉県茂原市などで23年9月8日、台風13号に伴う記録的な大雨で広範囲にわたって浸水被害が発生した。県は、10月末をめどに有識者会議を立ち上げ、当該箇所からの越水と浸水被害との関係などを調べる。 問題があったのは、千葉県が茂原市と長生村で進めている2級河川一宮川の護岸工事だ。2工区に分かれ、いずれも清水建設と

    清水建設JVが仮堤防の大型土のうを勝手に撤去、越水の原因に
  • パナソニックHDが全固体電池、3分で充電可能

    パナソニックホールディングス(パナソニックHD)は2023年9月、開発中の全固体電池を報道陣に初公開した(図1)。充電時間は、充電率10%から同80%にするまで3分。加えて、充放電サイクル寿命は、「(常温の場合)1万~10万回のどこか」(同社)と長い。技術的には2020年代後半には実用化可能になる見込みだが、具体的な用途や量産時期は検討中だとする。短時間で充電できることを生かした様々な用途を想定するが、今のところ、最も有望なのは、航続時間が短くてもかまわない用途におけるドローンのようだ。

    パナソニックHDが全固体電池、3分で充電可能
  • インボイスで社員の経費精算が変わる、「登録番号」なしの領収書に要注意

    2023年10月1日に始まる「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」により、社員にとって身近な経費精算のルールが変わる。インボイスは適用税率や税額の明細を明示した請求書や領収書などを指し、「適格請求書発行事業者」として登録した事業者が発行する。制度施行の前後で変わる点を押さえ、取るべき対策をデジタル中心に3回にわたって解説する。第2回では、今までの経費精算処理では認められなくなった点を明らかにした上で、どう効率化したらよいかを押さえる。 前回記事 「インボイス残業」させない請求書の効率化法、紙・PDF混在の洪水を乗り切る 2023年10月末、メーカーで営業職を担当するD氏は経費精算の新ルールに戸惑っていた。先月までは精算ができていた物品購入に、経理部から「必要な書類が添付されていない」と指摘を受けたのだ。 これまで少額の物品購入は会社規定により、クレジットカード明細なども支払いを証明する

    インボイスで社員の経費精算が変わる、「登録番号」なしの領収書に要注意
  • JR東日本のシステムが復旧、電気工事で誤って切ったブレーカーが原因か

    JR東日2023年6月24日、午前0時37分ごろから発生していたシステム障害は午後1時ごろにすべて復旧したと発表した。JR東日によれば「詳しい原因は調査中だが、屋内電源設備の工事の際に誤って予定していなかったブレーカーを切ってしまったためと思われる」(コーポレート・コミュニケーション部門)という。 障害発生当初は、みどりの窓口や発券機でのクレジットカード利用ができなくなった。また交通系ICカード「Suica(スイカ)」をスマートフォンなどで使える「モバイルSuica」や、インターネット切符予約サービス「えきねっと」にログインできない状態だった。 交通系ICカード「PASMO(パスモ)」でも同日午前0時30分ごろに電源トラブルによる障害が発生し、午後1時14分ごろに復旧した。障害発生中はモバイルPASMOの利用や、ICカードの再発行/払い戻しができなかった。 関連記事 JR東日でシス

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  • トカマク式核融合が超小型化、MIT発ベンチャーが高温超電導でゲームチェンジ

    最近の核融合発電の開発競争で最速の核融合開始計画は、今のところ米国のスタートアップであるHelion Energyで、2024年。商用発電開始は2028年で、既に米Microsoftと売電契約まで結んだ。 もっとも、Helion Energyの方式は非常に斬新で、多くの“伝統的”な核融合研究者はその実現性に懐疑的だ。彼らが指摘する課題は少なくとも2つある。具体的には、(1)想定する“燃料”が、重水素(D)とヘリウム3(3He)で、“点火”させるのにはセ氏10億度前後の高温が必要なため、非常に大きなエネルギーを投入しなければならない、(2)核融合のエネルギーをどこまで効率良く電力に変換できるか未知数、の2つである。(1)と(2)をまとめて言い換えると、核融合で発電できる電力が、核融合を起こさせるのに投入するエネルギーを大きく上回ることが容易ではないのである。 一方、核融合発電の開始予定時期が

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  • 核融合に第3の方式が浮上、2024年にも発電開始へ

    最近になってにわかに注目を集め始めた核融合発電技術だが、実用化は早くても2030年代半ば。やや保守的な評価では2050年かそれ以降という見方も多い。ところが、2024年にも発電を始めるというベンチャーが出てきた。 それはこれまでよく知られている大きく2つの方式、具体的には日を含む数多くの国家が開発に参加し、フランスに建設中のITERのようなトカマク方式と、2022年11月に米国でレーザー光のエネルギーを超える核融合エネルギーが得られたレーザー核融合方式のどちらでもない、第3の方式「FRC(磁場反転配位)型プラズマ」に基づく注1)。核融合反応で中性子を出さず安全性が高く、簡素な設備で、しかも蒸気タービンを使わずに発電できる革新的な方式である。

    核融合に第3の方式が浮上、2024年にも発電開始へ
  • 丸投げを脱して「内部開発」に着手したデジタル庁、国にノウハウを残せるか

    発足から1年半が経過し、デジタル庁が2023年度から「今できる調達改革」に動き出している。案件や分野を選別して、デジタル庁職員が自らコードを書く「内部開発」と、スタートアップや中小ベンダーが参加しやすい「企画競争調達」という新しい調達手法に格的に取り組み始めた。デジタル庁が取り組む、今できる改革の効果を検証する。 改革を代表する案件が、マイナンバーカードを使う行政手続きを集約した政府サイト「マイナポータル」の使い勝手を改善する刷新プロジェクトである。現在実証アルファ版が公開中だ。2023年夏にベータ版、2024年3月に正式版として番環境に移行する。企画競争調達でベンダーを選定する、一部の機能は内部開発も組み合わせるという2つの改革が同じプロジェクトで同時に進んでいる。 マイナポータル刷新に新規ベンダーが参入できたわけ 企画競争調達は、技術提案への評価だけで開発ベンダーを選考する手法だ。

    丸投げを脱して「内部開発」に着手したデジタル庁、国にノウハウを残せるか
  • マイナンバーカードのトラブルに透ける、デジタル庁組織の「しんどい」状況

    マイナンバーカードを巡る一連のトラブルに対応するため、河野太郎デジタル相が奮闘を続けている。積極的に情報発信をしたり、関係省庁などとの連携を進めたりするなど、矢面に立って挽回策を講じている。ただ、遅れていた日のデジタル化を推進するためにデジタル庁が苦心してつくってきた、プロジェクト制かつ民間デジタル専門人材を活用する「マトリックス組織」という組織構造自体が、状況をさらに困難にしている「しんどい」状況のようにも見える。 「担当者以外は認識がなかった」 「デジタル庁で情報共有されていなかったことは大変申し訳なく思っている」――。2023年6月6日の閣議後記者会見で、河野デジタル相はこう述べて陳謝した。 マイナンバーとひもづける公金受取口座登録を巡っては、2023年5月下旬に他人の口座にひもづけられる誤登録が明らかになった問題を受け、デジタル庁が約5400万件に及ぶすべての公金受取口座の総点検

    マイナンバーカードのトラブルに透ける、デジタル庁組織の「しんどい」状況