前回の話はこちらから https://note.com/malaysiachansan/n/n7556646111d0?magazine_key=m0838b2998048 氷堂律(ひょうどうりつ、通称ちゃん社長)は自宅に帰る途中、車の助手席から見える美しい海を見ながら、遠い昔の日々を思い出していた。氷堂は香港で6年余りの時を過ごし、マレーシアに来てからも既に5年が経過していた。そして氷堂は自問した。「自分が成功したと思える日など果たして来るのだろうか?」。それが5年後なのか10年後なのかは分からない。でも残念ながら今の時点では、自分が思い描いていた未来とは全く異なる現実に向き合わなければならなかった。いや、少なくとも2020年初頭までは、氷堂がマレーシアで立ち上げたビジネスも期待通りに進んでいた。そう、もしコロナが無ければ。もしロックダウンが無ければ。 2020年3月16日、この日の出来