「まず検査をしてみましょうか」 具合が悪くて病院を受診した際、そう言われたことの方はたくさんいらっしゃるのでしょうか。疾患の影に検査有り。現在知られているほとんどの疾患は、何らかの検査によって診断されます。これはとても当たり前のことのように聞こえるかもしれません。 では、検査で「インフルエンザ陽性」と出れば熱がなくても本当にインフルエンザなのでしょうか。逆に、家族がインフルエンザで自分も熱や筋肉痛がある方が「インフルエンザ陰性」という結果であれば、その方は確実にインフルエンザでないと言えるのでしょうか? 臨床検査は決して万能ではありません。それどころか、全ての検査は 「状況が変われば正解率が変わるもの」 なのです。これは検査の精度の問題ではありません。たとえ人工知能(AI)による診断技術が発達したとしても、100%正解となる検査はないのです。そしてこのような検査の不確実性への理解は、医療関