去る9月25日、厚生労働省のホームページにひっそりと「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)に関する疑義応答集(第3集)がアップされました。この問題に関心のある人しか気が付かなかったでしょうが、これは昨年来問題となっていたアジャイル型開発と派遣・請負区分に一定の決着をつける文書だったのです。 アジャイル型開発とは、システム開発において、計画段階では厳密な仕様を定めず、小さな単位に分けられた開発を「スプリント」と呼ばれる単位で繰り返して実施し、最終的なシステムを完成させる開発手法です。細部にわたる仕様をすべて決定してから開発工程に進むのではなく、ユーザにとって優先度の高いものから順次開発・リリースして、運用時の技術評価やユーザの反応に基づいて素早く改善を繰り返すことにより、システムの機能同士の結合リスクを早期に解消できたり、システム利用開始までの期間を短く