先日、グランシップに子供のためのシェイクスピア「リア王」を観に行ったとき、併設の静岡芸術劇場のロビーを覗いたら、演劇関係書籍の閲覧ができるスペースがあり、その中に「定本・野田秀樹と夢の遊眠社」もあった。もちろん発売当時に購入したが、現在は手元にないので(転勤族の悲しさである)、この折でもあるし「贋作・桜の森の満開の下」についてどんなことを書いていたのか確認したくなり、手に取ってみた。 「定本・野田秀樹と夢の遊眠社」は、劇団史のみならず、野田秀樹の創作ノートや稽古場でのメモなどが多数掲載されたもので、そこには「制作現場」における野田秀樹のかなり赤裸々な言葉が綴られている。その中には劇団員に対するかなり辛辣な言葉も含まれており、「劇団」のファンにとっては楽しさと同時にどこか胸の痛くなるものでもあった。 「贋作・桜の森の満開の下」については、脚本段階でのイメージのふくらみから稽古場で作品ができあ