出産にも保険適用されない日本は「子捨ての国」だという批判が高まっていますが、これは日本の伝統です。票をもつ老人に迎合して、抗議できない子供を捨てることが政治家にとっては合理的です(2017年1月6日の記事)。 世の中には、意外に根も葉もない都市伝説が受け継がれているもので、「姥捨て山」というのもその一つだ。これは深沢七郎が『楢山節考』で創作した物語であり、そんな歴史的事実はまったく存在しない。 もちろん人口問題は昔からあった。日本の人口は江戸時代に急速に増えたが、農地を開墾する余地がなくなった1700年ごろ2600万人で止まり、それ以降150年間ほとんど増えなかった。これは偶然とは考えられない。人口問題を解決した方法は、姥捨てとは逆の子捨てである。もっとも多い方法は「水子」、つまり乳児を捨てることだった。 これは合理的である。老人を殺すのは大変だし、捨てても村に戻ってくるが、乳児は放置する
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