熊本市で生活保護を受給している男性(80)が、違法な決定で自立のために使った支出分まで返還を求められたとして、同市に決定の取り消しを求めた訴訟の判決で、熊本地裁は30日、市が返還請求の根拠として作成した資料を「改ざんされたと言わざるを得ない」とし、返還請求の決定を取り消した。 男性は2002年3月から生活保護を受給。その後、自力で歩くことが難しくなり、07年8月から1カ月当たり2万6440円の特別障害者手当を受給した。市…
大量の食べ物を胃に詰め込む。すべてトイレで吐く。昼となく夜となく、それを繰り返す。彼女が心身に変調をきたしたのは結婚4年目、2002年の秋。当時29歳だった。 休日の朝、私の運転でショッピングモールに出かける。食料品売り場に着くと、彼女の目つきが変わる。弁当、刺し身、菓子パン、炭酸飲料――。夢中で買い物かごに入れる。話しかけても反応がない。パンパンにふくらんだ買い物袋をいくつも抱えて車に乗る。 家に帰ると、買った食材をテーブルに山盛りにする。「私の大事な時間。邪魔しないで」。そう言って、黙々と口に入れる。から揚げをつまみながら、もう片方の手で大量の即席ラーメンをゆでる。食べるものに脈絡はない。 普通の食事の3倍は食べたあたりで、ペットボトルを片手にトイレにこもる。水をのどに流し込みながら、時間をかけて吐き出す。嘔吐(おうと)の音と洗浄音が繰り返し聞こえてくる。 トイレから出てくるとほおがこ
京都府は16日、特別養護老人ホーム「安寿(あんじゅ)の里」(同府宮津市)の職員が、90代の入所女性を虐待したとして、施設を運営する社会福祉法人「香南会」(高知県香南市)に改善勧告をした。 府や宮津市によると、女性は昨年12月、施設のベッドから落ち、全身打撲を負って宮津市内の病院を受診した際、医師が虐待を疑い市に通報した。府と市の聞き取りに、担当職員は暴力を否定。だが、ベッドから転落後、施設の内規で2人で介助すべきところを1人で行っていたことが判明した。市は職員が内規に反して1人で女性をベッドに戻す際、体に無理な力が加わりけがにつながったとして高齢者虐待防止法に基づき虐待と認定した。 また、2016年1月ごろから今年2月にかけて、70~100代の入所者16人が不自然なけがを負うなどしていたことが判明。5人が骨折し、体に多数のあざや皮下出血が見つかった入所者もいたという。暴言を浴びせられたり、
本業のもうけを増やす努力をせずに、国の給付金や助成金で会社を運営する-。名古屋市北区の就労継続支援A型事業所「パドマ」の利用者だった精神障害がある男性(62)にとって、それは以前、市内の別のA型で見たのと同じだった。
八月末に閉鎖された障害者の就労継続支援A型事業所「パドマ」(名古屋市北区)で、利用者に仕事のやり方を教えていた元従業員女性(69)には、忘れられない光景がある。金融機関の通帳を開き、にこにこしていた運営会社「障がい者支援機構」(同)の男性社長。 新たなA型を立ち上げた直後のことだった。女性は直接、通帳を見てはいないが、国からの給付金などで、口座残高はそれまで見たこともないような数字だったのだろう。のぼせ上がったような表情の社長に「これはみんなの税金。よく頭に入れておいて」。女性はすぐに、くぎを刺した。でも、この声が届いたのかどうかは分からない。 女性がパドマに就職したのは設立から一年後の二〇一四年。元々、社長は十年来の知人だった。以前、障害者の就労支援機関で働いていた社長の印象は「障害者に丁寧に接し、仕事ぶりも真面目な人」。女性がパドマに入ったのは、社長への信頼があったからだ。しかし、「こ
名古屋市や岡山県倉敷市などで、一般企業への就労が難しい障害者が働く「就労継続支援A型事業所」が経営破綻し、働いていた障害者が一斉に解雇される事案が相次いでいる。取材からは、「うまみのあるビジネス」として参入し、経営努力を欠く事業者が一部にいたことがみえてきた。しかし、事業所の閉鎖で一番困ったのは破綻した事業者ではなく、行き場をなくした障害者だ。一連の問題は、どんな課題を浮かび上がらせたのか-。 (出口有紀) 「A型が閉鎖され、大勢の障害者が解雇されそうだ」。初めてそう聞いたのは八月七日。名古屋市北区にある、そのA型「パドマ」に向かう。ただし、その時点では「A型って何?」というのが本当のところ。 障害者向け作業所の組織「きょうされん」愛知支部事務局長の大野健志さん(46)とパドマの近くで待ち合わせた。大野さんに聞くと、A型とは障害者がパン作りなどの仕事をして給料をもらうところ。パドマは同区の
安倍首相は次期衆院選で、2019年10月の消費税率10%への引き上げに合わせ、増収分の使い道を「国の借金返済」から「社会保障の充実」に振り向けることを国民に訴える考えだ。 12年の与野党合意に基づく社会保障・税一体改革では、消費税5%からの引き上げ分は全て社会保障に充てることになっている。 しかし、10%への引き上げ時に、子育てや介護などを充実させるための財源に回るのは、このうち1%分(約2・8兆円)にとどまる。残る4%分(約11・2兆円)は、社会保障制度を安定化させるためとして、実際には国の借金返済などに充てられる。14年4月の8%への引き上げ後の政府予算もおおむねこの配分で組まれており、首相は「増えた税収の8割を借金返済に使われた」と周囲に不満を漏らしてきた。
兵庫労働局、発達障害の非常勤女性に「いじめ」「虐待」 〜前局長ら5人処分 障害者雇用推進の役所がなぜ? 厚生労働省兵庫労働局で働いていた障害のある20歳の女性に対し、「組織として不適切な対応があった」として、厚労省が8月、同局幹部らを処分していたことがYahoo!ニュース編集部の取材で分かった。厚労省によると、処分は前局長ら5人。女性の両親などによると、女性はあろうことか、障害者雇用を促進する部署で「いじめ」や「虐待」を受け、採用から半年足らずの昨年秋に退職を余儀なくされたという。女性にとって労働局での仕事は、社会人としての第一歩だった。障害者施策のお膝元である厚労省の組織でなぜ、こんなことが起きたのか。(Yahoo!ニュース編集部)
二〇〇四年三月三一日、水戸地方裁判所は、水戸事件被害者が提訴した民事訴訟において、被告・赤須正夫による性的虐待の事実を全面的に認め、赤須正夫に対し一五〇〇万円の賠償を命じた。同年七月二一日、東京高裁も原告らの主張を全面的に認めて、赤須の控訴を棄却した。これによって、一九九六年の提訴から八年におよぶ闘いが勝利をかちとって、いったん終結した。 水戸事件のたたかいを支える会編『絶対、許さねえってば』(現代書館、二〇〇六年)は、ダンボール加工会社である水戸パッケージ(旧「アカス紙器」)における障害者差別と虐待に対して、障害者が人として生きるために尊厳をかけて闘った裁判の記録である。 一九九六年一月、赤須正夫社長は、「知的障害」を持つ従業員への雇用助成金を騙し取ったことが発覚して逮捕された。実はそれ以前に赤須から太腿を蹴られ被害を受けた女性従業員が告訴していた。逮捕がきっかけとなり、当時「アカス紙器
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ 生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 201
国立科学博物館・筑波実験植物園(つくば市天久保)で、だれでも楽しめるユニバーサルデザインな植物園づくりに取り組んでいる植物研究部の堤千絵研究員(39)がこのほど、手話通訳付きイベントを開催する際の事前準備や当日の進め方などノウハウをまとめた論文を「日本植物園協会誌」(日本植物園協会発行、第50号)に発表した。 植物園での手話イベントの手法や注意点が紹介されたのは初めて。堤さんは「ほかの植物園でもこうした取り組みが広がっていけば」と話している。 「『手話で楽しむ植物園』と『手話通訳付き案内』の紹介―ろう者と健聴者、共に植物の理解を深めるために」と題した論文で、同園が2012年から開催してきた、園内を案内したり、企画展を説明する手話通訳付きイベントの経験をまとめた。 成功のポイントは、専門用語をどう訳すか事前に手話通訳者と打ち合わせをしておく、解説用の写真や絵を用意する、スケッチブックや
「無料低額宿泊所・宗永寺に厳重に抗議し、川口市に対し貧困ビジネス対策を求める」声明 2016 4/06 2016年4月5日、反貧困ネットワーク埼玉が、貧困ビジネスの被害に関連して、次のような声明を出しました。 「無料低額宿泊所・宗永寺に厳重に抗議し、川口市に対し貧困ビジネス対策を求める」声明(2016年4月5日) 川口市では、毎月の生活保護費の支給日に、無料低額宿泊所入所者が、宿泊所職員が運転するマイクロバス等に乗せられて福祉事務所まで運ばれ、宿泊所職員監視のもと、福祉事務所で保護費を受領し、その直後、宿泊所職員が、福祉事務所敷地内で、保護費全額を丸ごと回収するという異様な光景が毎月繰り返されている。 宿泊所の環境は劣悪なことが多く、入所者は高額な住居費等を徴求され就職活動もままならない。実際には、宿泊所からアパートへの転居が可能だが、入所者のほとんどは、そのことを、宿泊所からはもちろん、
茨城県の教育委員が障害児の出産を「茨城県では減らしていける方向になったらいい」などと発言し、辞職した。2013年にはダウン症などの胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断が始まり、羊水検査などで異常が確定した人の中には中絶を選んだ人も多い。あるダウン症の青年は問いかける。「なぜ? 僕は不幸じゃない」 「言ってはいけない発言。怒ってます。辞める前に、何であんなことを言ったのか、議論したかった」 そう語るのは、あべけん太さん(28)=東京都世田谷区。茨城の教育委員が、「妊娠初期にもっと(障害の有無が)わかるようにできないのか」などと発言したことを父親から聞き、ネットでニュースを読んだ。 知的障害と呼ばれるのは「かわいそうとバカにされている気がして嫌い」。ダウン症など障害者専門の芸能事務所に所属し、「ダウン症のイケメン」タレントとしてテレビや講演で活躍中。IT会社にも勤めている。 新型出生前診断に
名古屋市千種区の市立中学で10月、特別支援学級を担当する50代の男性教諭が、障害がある男子生徒の頭を拳で殴り、けがをさせていたことが17日、分かった。市教育委員会が処分を検討している。保護者は愛知県警に被害届を提出したという。 市教委によると、担任教諭は10月21日午後、数学の授業中、生徒の頭を複数回、拳で殴ったという。学級のほかの生徒は休みで、生徒と一対一で授業をしていた。男子生徒は全治約3日間の頭部打撲と診断された。 帰宅後に保護者が頭のこぶに気付き、担任教諭に殴られたと話したという。教諭は学校の聞き取りに「授業に遅れ、落ち着きがなかったため、殴ってしまった」と体罰を認め、学校は本人と保護者に謝罪した。市教委の担当者は「原因などを調べ、厳正に対処したい」としている。
約140兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、7~9月期の運用成績がマイナスになったもようだ。世界的な株安が響いた。運用損となるのは、2014年1~3月期以来、6四半期ぶり。野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストの試算によると、GPIFの7~9月期の運用損は9.4兆円だった。内訳は海外株の運用損が4.3兆円で、国内株は同5.1兆円。この間、日経平均株価は14%下
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