【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国国営・新華社通信は26日夜、中国警察当局が製造元の天洋食品(河北省石家荘市)の元臨時従業員、呂月庭容疑者(36)=同省=を逮捕したと報じた。08年1月の発覚から2年余り。日中両国の国民感情の対立に発展した同事件は解決に向けて大きく動き出した。 中国政府は27日未明までに、外交ルートを通じ日本政府に「容疑者の男を特定した」と伝えたという。 調べによると、呂容疑者は給料などの待遇や特定の従業員への不満を募らせ、気を晴らすために製品のギョーザに毒物を混入した疑い。呂容疑者は容疑を認めているという。また、警察当局は混入に使われた注射器を押収し、周囲の証言を得ていたとしている。 新華社通信は、中国警察当局の特別捜査チームが「発生から時間が経過し、物証が少ないなどの困難を克服し、ねばり強く、入念な捜査を続けて事件を解決した」と捜査を評価した。