スマート農業が推進される昨今の農業界。各社から様々な農業用IT機器やアプリがリリースされている中で、自分で「農家が使いやすいアプリ」を作ってしまった人がいる。東京都調布市の住宅街で先祖代々の農地を継いで農家となった伊藤彰一(いとう・しょういち)さんは、元エンジニアのスキルを活かし、農家による農家のためのアプリを制作。すでに2000人を超えるユーザーがいるという。その使いやすさの秘密とは? 歴史ある農家の息子が、アプリを開発 新宿から郊外に向かう京王線に乗って20分ほどの仙川(せんがわ)駅。そこから徒歩3分の好立地にある伊藤農園は、甲州街道ができたときに先祖が移ってきて農業を始めたという、約400年の歴史のある農家だ。 伊藤彰一さんは父と共にその伊藤農園を営む。大学卒業後、ITベンチャー企業でエンジニアとして5年ほど働いていたが、2016年に退職して就農した。勤務していた会社が大手に吸収合併