スパイラル 家で少し眠っていると彼女が帰ってくる。 足音だけでわかる。いや、そもそも彼女以外に この部屋にくる人間など居ないのだ。 「起こしちゃったかしら」 彼女はそう言いながら煎餅をビュンビュン投げている。 「あぁ、少し眠っていたけど大丈夫」 「目が覚めたら真面目に聞いて欲しいことがあるの」 彼女は投げた煎餅を四つんばいで咥えながらそう言った。 「いいよ。もう目が覚めたから」 僕は答える。 「そろそろ私、あなたと別れようと思うの・・・。」 テトリスをやりながら彼女が言った。 「僕が君を好きだとか、一緒に居たいとか、そういう事を 言ってももうダメなんだね?」 「あ、今長い棒が出るの待ってるから少し待って」 彼女は長い棒が出るのを集中して待っている。 「ワッフー、長い棒きたー。テットリスーテットリスー」 「あ、えぇ、そうなの。あなたの事は大切だけどもうダメなの」 彼女はそう続ける。 「いつ出