『けものフレンズ2』(以下、「2」と表記します)の物語の特徴として、フレンズのつく嘘やフレンズ同士の対立など、「フレンズそのものの振る舞い」がキュルルの旅を妨げる障壁となって現れる点が挙げられます。毎回キュルルたちがフレンズたちの振る舞いによって「迷惑」を被る形で、物語は進んでいきました。大きな川や迷路といった外部の障壁にフレンズたちが協力して対処したり、フレンズの「困っていること」を解決したりして物語が進行していた『けものフレンズ』(以下無印と表記します)とは、この点が大きく違っています。 対立しあうフレンズたちと協力しあうフレンズたち。ストーリーから受ける印象は真逆のものでした。そのことが、「2」は無印の世界観を否定するために作られたのだ、という感想をもたらす大きな要因になっているのだと思われます。 しかし、場外乱闘の件を括弧に入れて物語そのものだけを見るならば、「2」は無印の世界観を