池袋から西武池袋線に乗って所沢より遠くに行こうとするには、なんだかちょっとした気合いが必要な気がしてしまう。お叱りを受けるのを覚悟で言えば、“東京”から離れて一線を越えるというか、日常の通勤電車から“旅”に変わるというか、そんな気がするのだ。 実際には、所沢は池袋から早ければおおよそ20分で行けるところで、実はたいして遠くない。中央線なら新宿から三鷹を超えたくらいの距離だ。車窓を見たって所沢を越したところでちょっと田畑が増えるかな、というくらいの違いしかない。 だから単なる印象で語っているだけなのだが、所沢は西武池袋線の旅をするにあたってなんとなく特別な境界のような存在になってしまっている。そして今回やってきたのは、そんな所沢駅からおおよそ25分の場所の飯能駅である。直通先の副都心線や東急東横線を通じてみなとみらいからも列車がやってくる、その終着駅のひとつだ。