イタリアの歴史的建造物やバチカン宮殿の天井のヴィジュアルイメージとともに、勝利の讃歌として知られるオペラ「アイーダ」の「凱旋行進曲」が流れ、ひとしきり盛り上がったあとに聞こえてくる、人気DJによる番組名のコール――。 「世界最強リーグ、セリエ・アー・ダイジェスト!」 すると今度は、けたたましいドラム音とアップテンポなサクソフォーン――ダルファーの「ミッキー・マウス」――がスタジオに鳴り響く。 サッカー番組なのに、サッカーのプレー映像が一切流れない。そんなオープニングが、未知なるものと出会う期待感を膨らませた。 1993年5月にJリーグが誕生して1年半、日本代表はまだW杯に出たことすらなく、各局がJリーグの関連番組の制作にやっきになっているときに、海の向こうのプロサッカーリーグのハイライト番組を民放が放送する――。 '94年10月にフジテレビで始まった『セリエAダイジェスト』はなんとも野心的
![カズにデル・ピエロ、叫ぶ青嶋アナ。セリエAダイジェスト伝説と遊び心。(飯尾篤史)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/609317e93028239af6881bc85f5099a84e984c71/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F4%2Fa%2F-%2Fimg_4a768cd4826bbd1bac3d5b188de266bd195001.jpg)