肉食を、動物福祉や気候危機の観点から減らす人は増えている。では、健康の観点からだと、肉食のリスクはどう説明できるだろうか? 驚きの理由を、カナダの生理学者が平易に解き明かす。 高タンパク食が流行りだ。いまやどこの食料品店でもプロテインボウルが売られている。お昼に卵とナッツのプロテイン弁当、おやつにプロテインバーなんて人もいるだろう。 だが、どのタンパク質を制限するか、とくに肉を控えることが、健康的に年齢を重ねるうえで重要になりうるというエビデンスがある。 その意外な理由とは何か? 特定のタンパク質の摂取を制限することによって、体内の細胞組織が硫化水素(H2S)を作り出すためだ。H2Sは吸い込めば有毒で、腐った卵みたいな臭いがするガスだが、体内では健康を促進する。