「一番印象が強い商品で、布団の中まで持ち込んだ」と話すアーム筆入を開発した伊藤幸信社長=台東区のサンスター文具で ゾウが踏んでも壊れない−。丈夫で、子どもたちを夢中にさせた「アーム筆入(ふでいれ)」は一九六五年にサンスター文具(台東区)から発売された。誕生のきっかけとなったのは暴走族のニュース映像を、今の社長の伊藤幸信さん(68)が見たことだった。 自宅でテレビを見ていた伊藤さんは、暴走族が投げた石が当たっても割れない信号機のランプに身を乗り出した。親しかった警察官に問い合わせ、材質は強くて傷が付きにくい耐熱性のあるポリカーボネートと教えられると、筆入れに使えないかとひらめいた。