ちょっとメモ。 『人が王となるのは、その起源は共同体首長に発するが、王家となって以後は、王たる者の血筋を引くことと即位儀礼の存在が条件となる。もちろん、政治的・軍事的実力やカリスマ性などによって新しい王朝を開く場合は、その限りではない。 比較的平和裡に王朝交代を実現する場合は、王の血統はいわば必要条件であり、たとえばフランスでは、カペー朝、ヴァロア朝、ブルボン朝は替わるが王はすべてカペー家の血筋の者によってたてられ、カロリング朝の王位を簒奪したカペー朝のパリ伯ユーグ・カペーにしても、権威あるカロリング朝のシャルル・マーニュの末裔を自称した。日本の場合でも、天皇家において血統が絶対条件であったことは周知のことで、鎌倉・室町幕府=王朝においても将軍=王になるのは源氏=天皇家の末裔であった。秀吉の場合は、その欠点を補うために、日輪神話や落胤説などが唱えられたし、家康の場合は吉良家から系図を取得