【カイロ=大内清】エジプト東部シナイ半島のイスラエル国境近くで5日、エジプト兵16人が武装集団に襲撃され死亡した事件で、エジプト軍は8日、関与が疑われるイスラム過激派民兵が潜伏するシナイ北部の町を空爆するなどし20人以上を殺害した。シナイでは地元部族と、隣接するパレスチナ自治区ガザ地区の過激派が結びついて地域が不安定化するとの懸念が強まっており、ガザ支援に積極的なモルシー政権に方針転換を迫る軍部やイスラエルの圧力が強まりそうだ。 ロイター通信によると、シナイ北部の町シェイフ・ズワイドへの空爆には攻撃ヘリが使用され、別の町には地上部隊も投入された。これに先立つ7日夜から8日未明にかけて、シナイの中心都市エルアリーシュの治安施設や、ガザ境界線のラファハ検問所が武装集団の襲撃を受けた。 軍の掃討で殺害された民兵の国籍などは不明だが、この一帯は政府に不満を持つ部族が多く、報復の連鎖が起きれば、シナ