幕末~明治維新の産業史を少しずつ調べていく中で、富岡製糸場関連の書籍を読んでいて、来年2015年大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公の二度目の夫、初代群馬県令楫取素彦についてもその事跡がわかってきたので簡単にまとめ。 明治政府発足直後の上州(群馬県)は二つの面で非常に重要な地域だった。一つには官軍には属していたものの元々が徳川家と関係が深い譜代大名の集合体であり、また幕末には無政府状態となって打ちこわしなどの住民反乱(上州世直し一揆)が頻発、これに対抗して領主・役人たちは弾圧政策で臨み、慶応四年(1868)年四月から十一月にかけて次々と農民たちが逮捕され処刑が相次ぎ一時騒乱と恐怖政治下にあった余波で不安定な情勢が続くなど東京に近い関東の中でも特に統治が難しい地域であったこと。もう一つが、当時最大の輸出品であった生糸の最大の生産・供給地であったことである。この重要地域の統治を任されたのが楫取素彦で、