温泉熱で電力をつくるバイナリー発電の廃熱を利用してエビを養殖する施設の起工式が2日、福島市土湯温泉町であった。育てたエビは、温泉街で振る舞うなどして集客に役立てる。 養殖場は、温泉旅館の元経営者らが出資した企業「元気アップつちゆ」が昨年11月に稼働した発電所の近くに整備。発電に使った蒸気を冷やした排水を引くポンプや水槽を設置する。総工費は約1億5000万円で、国の補助金を充てる。 25度に保たれた水で、東南アジア原産のオニテナガエビを生産する。温泉街に建設予定の釣り堀に提供し、釣ったエビをその場で食べてもらう事業を計画している。 起工式には関係者約20人が出席。元気アップつちゆの加藤勝一社長は「従来とは別の形で温泉や地熱を使い、新たな街のにぎわいをつくりたい」と語った。 発電所は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で打撃を受けた温泉街の再生をけん引する施設として期待されている。