最強の24歳になります──。 斎藤佑樹が札幌ドームのお立ち台の上でそう言ったのは、去年の6月6日。斎藤、24歳の誕生日のことだった。 しかし皮肉なことに、"最強の24歳"になったのは田中将大だった。去年の11月1日、24歳になってからの1年間、田中は24連勝をマークし、一度も負けることはなかった。まさに最強の24歳である。 現在、沖縄・国頭(くにがみ)で秋季キャンプ中の斎藤佑樹は、『脱力』をテーマにフォームの完成に取り組んでいる。 2006年の夏、その田中に投げ勝って甲子園で"最強の18歳"となったのは斎藤だった。しかし、最強の24歳にはなれなかった。24歳の最初の日に勝って以来、彼に公式戦での白星はついていない。 田中の存在について改めて問われた斎藤は、こう答えた。 「マー君のことを訊かれたら、『すごいな』『これでメジャーに行くのかな』とか、みなさんと同じようなことしか答えられません。高