◎風評と闘い再開目指す 「本業をやめるつもりは毛頭ない。頑張るしか選択肢はない」。肥料製造「グリーンマン」(大崎市)の三塚潔社長(49)=仙台市泉区=がかみしめるように語る。 軌道に乗り始めていた事業は、東日本大震災と原発事故の風評被害に翻弄(ほんろう)され、現在も休止を余儀なくされている。従業員とともに震災がれきの処理業務でしのぐ日々だ。 宮城を代表する海の幸の一つカキ。その潜在力に着目し、県産カキ殻100%の肥料を製造、販売するようになったのは2010年2月のこと。 大崎市松山に工場を設け、最初の1年で3500トンのカキ殻肥料を販売した。11年に入ると、単月で黒字が出るようになったが、工場は震災で被災し、稼働できなくなった。 原料は東松島市鳴瀬産「東名カキ」の殻。味の良さに定評はあっても、殻のほとんどは廃棄物となる。処理に頭を痛める県漁協鳴瀬支所の養殖業者から仕入れていた在庫