都知事選の大きなテーマになりつつある「築地市場移転」問題。荷物の重みで床が抜ける、海水を床に流せないためにコバエがたかる――移転先の豊洲新市場では、“欠陥”が続出しているが、問題はまだある。 築地では必要なかった「冷房」を新設する必要があり、卸や仲卸業者はコスト増を余儀なくされそうなのだ。商品に価格転嫁されれば、魚介類は高騰してしまうだろう。 オフィスビル然とした豊洲の建物は、「閉鎖型市場」であるために、室内の温度を25度以下に保たなければならない。吹きっさらしで冷房設備はごく一部で済む築地に対し、豊洲では完備する必要がある。設置費は「青果棟」、「水産仲卸売場棟」(仲卸棟)、「水産卸売場棟」(卸棟)の主要3棟合計で優に100億円を超えるとみられている。東京都は、設置費の一部とランニングコストを、「機能強化使用料」として各業者から徴収する予定だ。 各業者は一体いくら負担することになるのか。都