BGM:Cocobat『Devil』 まず何よりも「デスマッチ」が映画の題材となったことに深い感慨がある。プロレスの価値観と見方が広がった今でこそ市民権を得ているが、それは長きに渡りキワモノとして位置づけられてきた。 大仁田厚はそうした宿命を逆手に取り、邪道を名乗ることによってプロレス内世間でステータスを確立したが、そのあとの代からは従来のスタイルと同じ土俵で張り合い、少しずつデスマッチファイターとしての存在意義を高めていった。それでも血を流すことに対する世の中の見方は、今もあまり変わらない。 そうした中、専門誌や専門チャンネル、ウェブ番組とは違った映画という媒体で描くことにより、違った受け取り方が生じる可能性も期待できる。ましてやテレビの画面よりも大きなスクリーンで見るデスマッチは、従来の映像とは別の情景に映るだろう。 葛西純ドキュメンタリー作品『狂猿』は、プロレスファンでもあるスペース
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