この記事は前回からの続きです。 ●現代美術における引用と、歴史文化の「動員」 ●『歴史を描くこと ―絵画と、漫画や映像のストーリー芸術と―』というトークイベントをやります。 ●配布資料:古典画法油彩作品の断面図とテンペラの説明 近年戦争画に注目されて、アート界ではちょっとしたブームのようになりました。つい数年前までは「戦争画に興味あります」などと言おうものなら他のアーティストにドン引きされることもありましたが。 私は歴史画というテーマで取り組んできてますが、美術史においては歴史画というと、かつて「正史」を描くことを担ってきたと。正史とはつまり、王朝や国などが編纂し対外的に正統であると示す歴史であると。 これは最初の打ち合わせの時に速水螺旋人さんが仰ったんですが、「めちゃくちゃナショナリスティックな信条の作家がその歴史観でもって描いても、面白い作品が出来るなら凄いことじゃないのか」、と。後日
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