さて、これは未来のお話。ガンマ線バーストに直撃されて数十年かそこら過ぎた地球のどこかに甲殻機動隊がおりました。カニ、テナガエビ、シャコ、タダタダタダヨウカニからなる甲殻機動隊は半ば水没した都市に偵察任務を帯びて侵入し、河童たちと遭遇していました。戦いです。 カニたちは横転したまま放置された無人トラックの影に転がり込み、水に体を浸して息を潜めます。河童たちに傍受されないよう細く絞ったビームをやりとりし、戦術画面を開いて戦況を共有するのです。眼柄を伸ばして確保した視界に敵味方識別情報がタグ付けされていきます。隊長カニは静かに泡を吹きました。 「なーにが『このルートは安全です』だか」 景気よく弾をばら撒きながらショートハンドがぼやきます。テナガエビであるショートハンドは腕を自在に伸縮させ、光ファイバー眼柄と合わせて遮蔽を取りながら安全に攻撃する事ができるのです。加熱した銃身を引き戻し、水に浸して