2018年2月27日、ヨーロッパの多くの地域にシベリア並みの寒さをもたらした大寒波「東の猛獣」の中、ロンドンのミレニアムブリッジを渡る歩行者たち。 (PHOTOGRAPH BY DANIEL LEAL-OLIVAS, AFP/GETTY) 2018年2月から3月にかけて、ヨーロッパは歴史的な大寒波と豪雪、いわゆる「東の猛獣(Beast from the East)」に見舞われた。南はローマまで雪が降り、英国では猛吹雪で高さ約8mもの雪溜まりができたほどだった。 最新の研究により、この豪雪には、ノルウェーとロシアに囲まれた北極海の一部であるバレンツ海の海氷の減少が関係していたことが明らかになった。降雪量の88%に相当する1400億トンもの雪が、その年に海氷が異常に少なかったバレンツ海から蒸発した海水に由来した可能性があるという。論文は4月1日付けで地球科学の専門誌「Nature Geosci