日本人の国民食ともいうべきカレー。だがひとくちにカレーといっても、それぞれ頭に浮かぶカレーは千差万別だろう。インドからイギリスに渡り、日本へやってきたカレーには文化の薫りが漂う。『ダ・ヴィンチ』7月号では、一見なんの関係もなさそうな本とカレーを結びつけた「禁断の最終決戦!本VS.カレー」特集を掲載。スパイス伝道師の渡辺玲氏にインタビューを行っている。本とカレー、その意外な接点とは? 1985年に発売された雑誌『ブルータス』で組まれたインドの食についての特集がぼくにとっての契機になりました。それまで活字でしか触れたことのなかったインドを圧倒的なビジュアルでつきつけられ、感動というよりもショックを受けたんです。自分の見たことのない世界、食べたことのないものがここにある。行かなきゃいけない、と。ちょうど仕事がうまくいっていない時期で、「インドに行けば何か変わるかも」という気持ちもあって、翌年、2